地球温暖化対策の「真実」:再エネ移行だけで本当に大丈夫か?

 

地球温暖化対策の「真実」:再エネ移行だけで本当に大丈夫か?

「地球温暖化」が叫ばれ、パリ協定の1.5℃目標達成へ向けて、世界各国でクリーンな再生可能エネルギーへの急速な移行が進められています。しかし、この「再エネ一辺倒」の動きで、本当に地球環境問題は解決に向かうのでしょうか? 本日は、この複雑なエネルギーと環境、そして経済の裏側にある「真実」について考察します。


欧州の「EV化」はCO2対策か、それとも敗北宣言か?

欧州では、CO2排出問題から化石燃料による発電から原子力、そして再生可能エネルギーへの移行が加速しました。特に自動車業界では、一気にEV(電気自動車)化へと舵が切られました。

元々、CO2削減の切り札とされていたのは、高い燃費性能を誇るクリーンディーゼルでした。しかし、フォルクスワーゲンの排出データ改ざん問題(ディーゼルゲート)を機に、欧州メーカーはクリーンディーゼル開発を事実上断念し、EVへと急加速します。

これは、表向きは環境対策とされましたが、実情は「トヨタのハイブリッド技術マツダのクリーンディーゼル技術に太刀打ちできなかった」という、欧州メーカーの技術的な敗北宣言だったとも言えます。

現在、欧州メーカーは中国からの安価なEV自動車の流入により窮地に立たされ、欧州政府も完全EV化の目標を遅らせる動きを見せ始めています。

実際に、電力供給が安定し、水力発電で賄えるスウェーデンでさえ、冬季にはバッテリー性能が半減し、充電スポットも十分でないことから、トヨタのハイブリッド車が飛ぶように売れているという現実があります。これは、EV一辺倒では解決できない、実用性の問題を示唆しています。


CO2大排出国と日本の事情

CO2排出量で世界トップを争う国々(No.1とNo.2)は、依然として化石燃料による発電が主流です。冬の北京で石炭の匂いがするのはその証拠です。

一方、日本の2022年度の発電電力量は、火力発電が約72.8%(石炭28.4%、天然ガス32.8%など)を占め、石炭の割合も約3割と依然高い水準です。

しかし、日本は世界に誇れる技術を持っています。それは、石炭発電で発生するCO2を大幅に削減できる最新技術「IGCC(石炭ガス化複合発電)」です。もしこの技術が東南アジアなどの国々に広まれば、安価で環境負荷も比較的低い電力を供給できます。

しかし、欧州各国はこれに反対します。なぜなら、IGCCはトヨタのハイブリッド技術と同様に、彼らが敵わない技術であり、欧州が進める**「CO2排出権取引」という名のCO2ビジネス**の邪魔になるからです。

アメリカのトランプ元大統領がパリ協定を破棄し、「地球温暖化とCO2排出は無関係」と捉えた背景には、このような経済・技術競争の視点も絡んでいるのかもしれません。


温暖化・寒冷化は「周期」か、「人類のせい」か?

現在の気候変動が、本当にCO2排出による温暖化だけが原因なのか、疑問視する声も少なくありません。

地球は46億年の歴史の中で、人類が生まれる遥か昔から、何度も温暖期や氷河期を繰り返してきました。確かに産業革命以降、徐々に気温は上昇していますが、この温暖化・寒冷化は周期的に起きている自然現象の一部ではないか、という見方もあります。

欧州で盛んな洋上風力発電も、海が遠浅で常に一定の風が吹くという地形的な優位性があるからこそ成立しています。台風が多く、遠浅の場所が少ないフィリピンや日本で、同じ効率を出すのは難しいでしょう。

また、日本の山々を切り開いて設置されている**太陽光発電(メガソーラー)**は、土砂崩れを引き起こすなど、新たな環境破壊の要因となっています。


未来の電力は「小型原発」と「ベストミックス」で

東日本大震災以降、日本では原子力発電の安全性に疑問が持たれました。しかし、ロシアからの天然ガス供給が途絶えたドイツでは、「脱原発」を完了したにもかかわらず、エネルギー危機と電力不足の懸念から、原子力への回帰を望む世論が高まっています。

これからの原子力発電は、以前のような大規模なものではなく、研究が進められている**小型モジュールによる発電システム(SMR:小型モジュール炉)**が有効とされています。ただし、日本やフィリピンのような地震・火山大国では、設置場所の選定が非常に重要になります。

結論として、エネルギー政策は、特定の技術に偏ることなく、**「ベストミックス」**で進めるべきです。

  • 再生可能エネルギー:1/3

  • 火力発電(IGCCなどの高効率技術含む):1/3

  • 原子力発電(SMRなどの新技術含む):1/3

欧州が中心となって進めているCO2削減の動きには、彼らの経済的な思惑(ビジネス)が大きく絡んでいます。日本やフィリピンは、その思惑に深入りしすぎず、自国の地理的・経済的・技術的な事情に合った、最善のエネルギー戦略を冷静に見極める必要があるのではないでしょうか。


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